フリーの3DCG制作ツール「Blender」。「3Dは金銭的にもスキル的にもハードル高そう…」と思っていたあなたのために、何回かに分けて「Blender」で実際にものを作りながら、基礎を身につけていきたいと思います!
今回はBlenderの高機能っぷりと、ちょっと癖のある基本動作について。

はじめまして。デザインやその他諸々を担当しているJBです。
先日Andy氏のARの記事でもご紹介しました「Blender」。3DはARと相性いいですよね!3Dのモデルデータとかを作れると、アプリ開発の幅が広がるのではなかろうかと。今まで「3Dとかやったことないし」という人も、ぜひともチャレンジしてみましょう!

Blenderとは

さっきから同じことばかり言っていますが、Blenderはオープンソースの3DCG制作ツールです。
世界中の有志による開発が続いていて絶賛進化中のこのアプリ、何と無償!しかも高機能!Blenderでこんなハイクオリティな作品が作れてしまいます。

Blender Demo Reel 2013 ※動画が流れます

すごい…無償なのに…

というわけで、Vuforia + Unity + Blenderの無料コンボで結構なARアプリとか作れちゃう様な気がしてしょうがないわけですよ。個人開発者さんや小規模開発会社さんにはありがたいですね!(※開発規模によってライセンスは要確認です。)

最新版はBlender公式サイトからダウンロード可能です。
blender.org – Get Blenderhttp://www.blender.org/download/get-blender/

Windows版はBlender.jpさんの記事にインストールの方法が詳しく書いてあります。
Macユーザーは、ダウンロードしたフォルダ内にあるBlender.appから直接起動可能です。

立ち上げるとこんな画面。真ん中の画は、バージョンによって変わります(これは2.68a)。

まずは「超独特」な使い勝手を知ろう!

Blenderむずかしいっす…と感じる最大の要因(ではなかろうか)と思うのが、「UIや操作が独特」なこと。
実際に作り始める前に、どんな感じで独特なのか、基本的な部分を身につけておきましょう!

1. 画面構成

デフォルトで起動すると、こんな感じです。どれが何なのか、大まかにご紹介します。

  • 情報バー:よくあるやつです。保存したり環境設定したり。
  • 3D View:3Dオブジェクトを色々操作する場所。メインの作業場です。
  • Outline View:オブジェクト同士の関係性などを階層表示。
  • Propaties:カメラやライト、物理演算など、いろいろな要素の属性を操作。
  • Timeline:アニメーションキーフレームを打つときなどに。

各Viewにはヘッダー(の割には下だったりしますが)がついていて、色々なボタンが配置されています(Viewの種類によって中身は変わります)。ヘッダーにあるEditorTypeでViewの種類が切り替えられますが、最初はデフォルトでOKです。

もう見た感じ「いじる場所が多い…」と引いてしまいますが、最初のうちは使う部分が限られているのでご安心を!

2. Blenderのキモ、3D View

メインの作業を行うことが多い3D View。真ん中にある立方体がいわゆる「メッシュオブジェクト」です。これをいじって形を作っていきます。ここからは、いじる前段階の超!超!基本事項を説明します。

■ モードの切り替え

Tabキーで、ObjectモードEditモードの切り替えが出来ます。モードによって出来ることが変わります。

  • Objectモード…オブジェクトを移動させたり、拡大縮小させたりできます。主に位置関係の調整、オブジェクトの追加・削除時などに活躍。
  • Editモード…メッシュオブジェクト自体を編集して、形を変えたりします。

他にもいくつかモードがありますが、それは追々必要になってから…。
オブジェクトの形ができるまでは、ほとんど Editモードでの作業になります!

■ マウス操作

「マウス操作なんて普通と一緒じゃないの?」と思いきや、これがクセが強いんです…。
何と 右クリックでつかんで、左クリックで操作確定なんですねー!ややこしい!でも使う頻度が高いので、すぐ慣れますよ!(あくまで3D View上の話なので、他のViewは左クリックがメインで大丈夫です。)
ちなみに選択されたオブジェクトや点・辺・面(次回のモデリング篇で触れます!)などは、オレンジ色に変わります。
真ん中のスクロールホイールは、スクロールでView視点の拡大縮小、クリック&ドラッグで視点の向きをグリグリ変えることができます。

■ 空間座標

3Dなので、立体空間なワケです。左下の座標軸アイコンや選択オブジェクトのマニピュレータを見てみて下さい。赤い矢印がX軸(横軸)、緑の矢印がY軸(奥行き)、青の矢印がZ軸(縦軸)で、空間を表現しています。

他の3Dモデリングツールは、Yが縦軸、Zが奥行きの場合が多いので、乗り換え組はちょっとこんがらがるかもしれませんね…。

■ 視点の切り替え

オブジェクトが思ったとおりの形になっているかどうかは、色々な方向から見ないといけません。そんな時、視点の切り替えにはテンキーが便利です。

頑張って覚えなくても、使いながらで身に付いていくと思います!

ちなみに5キーの透視投影/平行投影というのは、パース(遠近感)がついているかどうかの切り替えと思ってください。現実世界の見え方に近いのは透視投影ですが、モデリング時はパースがない方がやりやすいので、平行投影にしておく方がベターです。

ノートPCでテンキーがついていない場合は、情報バーのFileからUserPreferenceを開いて、Inputタブにある[Emulate Numpad]をONにしてみて下さい(左の方にあります)。普通の数字キーがテンキーと同じ役割で使えるようになりますよ!

今回のシメ

とりあえず今回はここまでです。いかがでしたか?

「まだ何も出来ないじゃないか!」っていう段階なのでつまらないかもしれませんが、色々グリグリさわってみて感覚をつかんでみてください!次回からはお題に沿って、実際に作って行きますよ!

というわけで、続きは次の「モデリング編」までお待ちください;)

 

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