前回はBlenderについてと、本当に基礎的な操作部分を書きました。今回からは、いよいよ実際に作ってみます!まずはファーストステップ、「モデリング」です。
目次
さっそく作ろう!題材は…
できれば誰もが知ってるようなものを作ってモチベーションを上げたいところですが、版権とかもろもろ面倒くさい大変なので、簡単なパンダで妥協します。(仕上がりがアレなのは、私も初心者だからです…許して下さい)
モデリング前の下準備
これから先、モデリングがしやすいように色々整えていきます。あくまで私仕様なので、「やりにくいよオイ」となったら、ガンガンスルーしてしまってOKです。
画面の分割
ひとつのViewでグリグリ見てもいいのですが、同時にいろいろな方向から見られた方がいいよね!ということで画面を分割します。私のおすすめは3分割です。分割の方法は簡単!
3DViewの右上(または左下)にある三角っぽいタブにカーソルを近づけると、カーソルが+に変わります。
そのままドラッグすれば分割完了です!
分割しすぎてくっつけたい場合は、同様のことをくっつけたい方向にやればOK。
ガイド絵を置こう
何もないところからイマジネーションで頑張ってもいいのですが、初心者の頃は、ガイド用の絵があった方がやりやすいです。使ったガイド絵はこちら。
3DView上で
Nを押すと「プロパティパネル」が出てくるので、Background Imagesにチェックを入れて、Add Imageボタンを押します。
Imageタブを選択した状態で、Openボタンを押してガイドになる絵を読み込みます。正面の絵を読み込みたかったので、ここでは方向(Axis)をFrontにしました。これだけです!
横からの絵も同時に見られるように、別の3DViewにサイドからの絵も読み込みます。大きさや透明度も調整できるので、自分好みにしてみて下さい!
オブジェクトごとにレイヤーを分ける
モデリング中に「違う!俺はカメラを触りたいんじゃない!」とイライラしないように、カメラとライトを別レイヤーに分けましょう。
まず、別レイヤーに移動させたいオブジェクトを右クリックで選択。
Mキーを押すとこんな感じのが出てくるので、現在のレイヤー以外をクリックすれば移動は完了です。
いよいよモデリング
やっとモデリング開始です!ここからはショートカットの嵐なので、ガンガン使って覚えて下さい!
Mirror Modifierを設定しよう
せっかくパンダが左右対称なので、半分作ったら鏡面でもう半分自動的に同じものが出来上がる便利機能、Mirror Modifierを使います!
まずはデフォルトで用意されている立方体オブジェクトだと作りにくいので、delかXで削除します。
Shift+Cで3Dカーソルを中心に持ってきて、Shift+Aで新たなオブジェクトを追加(Add)。MeshのPlaneを選択します。
回転を使います。R→X→90を入力→Enterと押してみて下さい。
意味は回転(Rotate)→X軸方向に固定→回転する角度を入力→確定!です。
TabキーでEditモードに入ります。ctrl+Rを押すとピンクのラインが出てくるので、縦方向のラインになったらEnter。さらに何も動かさないでもう一度Enterを押して下さい。
これはループカットといって、同じ方向の辺に対してぐるっと切れ目を入れてくれます。最初に出てくるピンクのラインが「切る方向」を表しているので、任意の向きで右クリックか Enterで方向を確定して下さい。ラインがオレンジになります。ここでマウスを動かすとラインの位置が変わるので、右クリックかEnterで切る位置を確定できます。
選択モードが「点選択モード」であることを確認し(ヘッダーで切り替えられます)、右クリックで左側の頂点2つを選択。delキーかXで消去します。消去対象はVerticesを選んで下さい。
Aでオブジェクトを全選択(All)します。プロパティウインドウのヘッダーで、Modifierタブ(レンチのマークです)を選択し、Add Modifierをクリック。Mirrorを選びます。
ミラー接合面が裂けないように、Clippingをチェック。これでMirror Modifier設定は完了です!
モデリング本格開始!
いろいろなやり方があるのですが、今回はオーソドックスな面とか点とかを地道につなぐやり方で進めていきます。Blenderは、大まかな形を作る段階では「面を四角形で構成すると楽」なので、最初のうちは「ポリゴンはなるべく四角」と意識してみて下さい。それではいってみましょう!
まずオブジェクトを全選択(A)して、横から見ておなかの前まで動かします。動かすにはGキーで掴んで(Grab)、任意の場所までマウスを動かし、左クリックで確定です。ちなみにGを押した後にX/Y/ Zを押すと、その方向に移動が固定されます。ここではY軸に固定しました。
右側の頂点2つを選択して下さい。一つずつ右クリックでも、Bキーで矩形範囲選択でもOKです。
つかんだら押し出し(Extrude)で面を増やしていきます。押し出しはEキー。頂点か辺のみ、押し出すことができます。マウスを動かした方向に押し出されて、左クリックで確定です。
押し出しも方向固定ができます。ここではX軸に固定しました。
とりあえずパンダのガイド絵の端っこまで、三回ほど押し出し。
横から見ていい感じのカーブになるよう、
Gなどで移動して調整します。
上からの図も確認しながら、いい感じでぐるっと囲むように押し出しを続けます。
真上から見たView(テンキー
7のView)で押し出しをすると、変に斜めとかに押し出されないのでやりやすいです。
胴体の元ができたところで、パンダのひょうたん的なフォルムに近づけていきます。
とりあえず直線すぎるのでループカットを追加。
拡大/縮小(Scale)を使ってポリゴンを体に沿わせていきたいのですが、デフォルトで拡大縮小すると選択範囲の中心に向かって縮小されてしまいます。なので、基準点(Pibot)を任意に指定できるようにします。
まず、ヘッダーでPivot Pointを3Dカーソルに設定。3Dカーソルを上から見てパンダの中心、横から見て選択している辺に合わせます。(左クリックするとその場所に3Dカーソルが設定されますよ!)
拡大/縮小(Scale)はSキーです。こちらも方向固定ができるので、必要に応じて使い分けて下さい!
とりあえず腕や顔・尻尾などは後から作るので置いておいて、押し出し(E)+拡大縮小(S)+移動(G)などを駆使しながら、がむしゃらにひょうたんを作っていきます。頭頂部や足まわりは後から調整するので、開けたままにしました。
上の図からいきなり面の様子が滑らかになっていますが、ちょっと設定をいじりました。Tool ShelfのShadingをSmoothにすると、ポリゴン表示が若干滑らかになります。いや、このタイミングでなくてもいいんですけどね…
ワイヤーフレーム表示にしてガイド絵に沿っているか確認してみましょう。Zキーでワイヤーフレーム/ポリゴン表示を切り替えられます(ヘッダーでも切り替え可能です)。
細かい部分を作ろう
まずは足まわりから。股を前と後ろでつなぐため、押し出しで面を作っていきます。そのまま押し出して前と後ろがくっつけばいいのですが、そうもいかないので、面一つ分くらい残してストップ。
面にしたい部分の頂点を選択してFを押すと、面を張ってくれます(Face)。
続いて腕です。面選択モードにして、腕が生えてきそうな場所を選択、削除します。削除対象はFaceにして下さい!
今消した部分の辺をぐるっと選択して押し出し、腕を作ります。関節になりそうな部分は、後々動きの設定がしやすいように分割しておきます。先っぽはFで閉じましょう。
足も腕と同様に押し出し。Fで足裏を閉じます。ガイド絵に合わせて頂点を移動して調整しましょう。
顔は凹凸を作るためにEdge loopを追加。横や上から見て違和感がないように動かしていきます。
…まだカクカクが残念な感じ。自分でどうにかすることもできますが、ここは手っ取り早く、面を分割して滑らかにしてくれる機能、Subdivishon surface Modifierを使用します。
Subdivision Surface Modifierを設定しよう
オブジェクトを全選択して、プロパティパネルでAdd Modifier→Subdivision Surfaceを選びます。
このモディファイアは、面を自動計算して分割してくれます。Subdivisionsの値が大きいほど分割されて滑らかになりますよ!今回はView(いじっているときの見た目)もRender(レンダリング結果に反映される)も2にしました。
仕上げ
先ほど忘れていたしっぽも作ります。作り方は腕や耳と一緒。このままだと大きくなりそうだったので、ループカットで面を細かくしてから押し出しました。さらに、胴体との境目をシャープにしたいので、エッジループを追加。境目にしたい辺に限りなく近づけると、辺がくっきりします。
頭を閉じます。なるべく四角形の面で構成できるように、頂点を押し出したりして面を張っていきました。
あとは、適宜ループを追加したり移動したりして不自然なところや細かい部分を調整して…
モデリング完成です!
モデリング編終了!
お疲れさまでした!長い!長過ぎですね!すみません!
本当にパンダを作るためだけの流れを駆け足でやってしまいました。分かりにくかったかと思います…申し訳ないです。
ファイルの保存は、WindowsではCtrl+S、MacではCommand+Sで出来ます。
保存はこまめにしたほうが身のためです。本当に。
最初は思うように出来ないですが、色々いじくり回しているうちに、段々慣れてくるかと思いますのでどんどん動かしてみて下さい。
次回はマテリアルやテクスチャを張って、よりパンダらしくしていきます。