どうもこんにちは。JBです。
前回までで大体パンダの形らしいものが出来てきたので、今回はオブジェクトの質感や見た目をいじる「マテリアル・テクステャ」あたりを実践していきたいと思います。
マテリアルを設定しよう!
早速ですが、前回作ったモデリングデータにマテリアルを設定して、色を変えたりしてみたいと思います。
マテリアルとは?
メッシュオブジェクトに対して、色や質感を与えることが出来ます。「質感って何だよ」と思うかもしれませんが、アレです。
ツヤとか、反射の感じとか、透明度とか、色とか、硬さ・柔らかさとかそういう類いです。
マテリアルをいじることで、金属っぽさやガラス質な感じ、プラスチック感などが演出できるわけです。
設定はマテリアルパネルで
マテリアルの設定は、プロパティパネルにあるマテリアルタブ(オレンジっぽい球体のアイコン)で行います。
まずはマテリアルを追加。Newボタンをクリックします。
すると上の欄にマテリアルが追加されて、下に色々出てきます。とりあえず分かりやすいように名前を変更。
パンダの白い色を設定したいと思います!
本当は色々いじると色々表現できますが…今回は色と光り具合をいじるだけなので、Diffuse・Specular・Shadingのみ変更していきます。
■ Diffuse
主に物質の「色」が変えられます。左上の窓をクリックして真っ白に設定。
Intensityは、簡単にいうと「明るさ」です。暗いと薄汚れたパンダになりそうなので、私は1.000に設定しました。
シェーダーの種類は特に変更せずLambertで。種類によって特徴があるので、用途ごとに変えてみて下さい。
■ Specular
ハイライト(光で明るくなるところ)に関する設定です。同じく左上の窓でハイライトの色が設定できます。
Specularの
Intensityはハイライトの強さ。パンダがギラギラしないように低めに設定しました。
Hardnessはその名の通り硬さ。値が大きければ大きいほどハイライトがくっきりして、固い物質のように見えます。
こちらもシェーダーの種類が色々ありますが、ここは柔らかめになるPhongを設定。
■ Shading
オブジェクトに関わる「光」について設定します。
Blender Wiki ユーザーマニュアル
http://wiki.blender.org/index.php/Doc:JA/2.6/Manual
オブジェクトに設定
3D Viewを見てみると…
やったあパンダが白くなってる!こんな感じでマテリアルを設定していきます。
ちなみに別マテリアルを作って、一部だけ選択してAssignすることも可能です。
模様はどうする?UVテクスチャを貼ろう!
パンダの黒い部分は、メッシュごとにマテリアルを変えるだけではうまくいかなさそうな雰囲気ですよね。足とかギザギザになりそうだし、顔とかなんかもうどうにもならないくらい残念になりそうな予感。
今回は黒い部分を全て絵でまかなってしまいたいと思います。ここで活躍するのがUVテクスチャというやつです。
UVテクスチャを作る
UVは、メッシュオブジェクトを絵が描かれた紙でぐるっと包んで、オブジェクトに絵が描いてある感じにしちゃおうよ!的なものです。
作業の大まかな流れは、オブジェクトをUV用に展開→UVの調整→UVをもとにテクスチャを書く→読み込んで適用、です。
■ メッシュオブジェクトを展開
モデリングで作った立体物を、平面に展開します。といっても、そのまま広げると重なったりくちゃくちゃしたりでやり辛いので、「ここが切れてたら比較的平らになりやすいんじゃない?」という箇所に切れ目を入れていきます。入れ方はこちら。
切れ目を入れたい辺を選びます。ぐるっと選びたいときは、Optionを押しながら(WindowsはAltですかね?)選択すると便利です。選んだ状態でCtrl+Eを押して、Mark Seamを選んで下さい。
辺が赤くなりました!この部分が展開時の切れ目になります。この調子で良さげな部分に切れ目をざくざく入れていきます。耳とかしっぽとか、パーツごとに分けたりしても分かりやすいと思いますよ!
切れ目を入れきったぜ…と思ったところでメッシュを全選択(A)。Uを押して、一番上のUnwrapを選びます。
すると…ぱっと見何も起こらないので、Viewのどれかを「UV/Image Editor」に切り替えてみて下さい(ヘッダの一番左で変えられます)。何か出来てる!これがUVです!
■ UVの調整
展開したUVをそのまま使ってもOKです。でも、絵を描きやすいように形を変えたり、大きさを変えたりと調整をすることも出来ます。
が、今回は割愛。所詮2色のパンダなのでそのままUVを使います。
調整のやり方などは、6B計画さんのサイトなどが分かりやすかったです!
テクスチャマッピング:Project-6B
http://6b.u5ch.com/blender/texture/
■ テクスチャを描く
テクスチャはBlender上でも描けますが、慣れたペイントソフトとかを使いたいよ!という人は、ガイドを書き出して、それに合わせて外部ソフトで絵を描いて読み込むこともできます。今回は後者の方法をご紹介。ガイドの書き出しはUV/Image Editorのヘッダーから、UVsををクリック。一番上のExport UV Layoutを選びます。任意の名前でpngデータが書き出されるので、それをガイドに絵を描きましょう!
私はIllustratorで白地をひいて、パンダの顔、耳、腕と足を黒く塗りました。この絵を同サイズで書き出せばテクスチャの準備は完了です!ちなみに、ガイドのレイヤーは表示OFFにして書き出さないと格子状の模様付きパンダになってしまうので注意です。
UVテクスチャを読み込む
テクスチャの読み込みは、プロパティパネルのテクスチャタブ(チェック柄の四角っぽいヤツ)から行います。とりあえず新しいテクスチャをNewで追加。
デフォルトだと内蔵のテクスチャ(プロシージャルテクスチャって言うらしいですよ)「cloud」が設定されているので、ココをImage/Movieに変更します。
Imageという項目で、Openをクリック。先ほど作ったUVテクスチャを読み込みます。
続いてMappingの項目で、CoordinateをGeneratedからUVに変更します。これでOK。
読み込まれているかどうかの確認は、3D Viewのヘッダーで、ディスプレイモードをRenderdにします。これでレンダリングの絵がリアルタイムで見られるはずです。
おお!パンダ模様!
グリグリ動かしておかしいところがないかチェックして、不自然なところはテクスチャをいじっては読み込みで調整していきましょう!
テクスチャで質感をUPさせよう!
UVを貼って一気にパンダ感が増しましたが、何だかトゥルトゥルで安い感じが否めません。ほんのりざらつきを加えて落ち着かせましょう。ここで活躍するのがプロシージャルテクスチャです。
テクスチャの追加
基本はUVと同じ。一番上の窓の+をクリックし、Newで新たなテクスチャを追加します。名前は任意で変えて下さい。続いてテクスチャの種類を選択。ここではnoiseを選びました。MappingのSizeを好きな数値に変えて、模様をいじることも出来ます。私は全部0.05くらいにしましたよ。
するとこんな感じに!
プレビューがピンクのツブツブで気色悪いですね。もはやじんましんみたいなので、このツブツブを凹凸に変える必要があります。
ザラザラさせる
追加したテクスチャの、Influenceの項目にいきます。今はDeffuseのColorにチェックが入っていますが、これを外しましょう。
続いてGeometryのNormalをチェック。
すると、パンダがぼこぼこに!
ちょっとゴツゴツしすぎているので、Normalの値を調節しましょう。私は0.01にしました。色々いじって自分のベストを探して下さい!
お好みでいじろう
あとはちょっとムラ感を出したかったのでプロシージャルテクスチャのcloudを追加しました。手順は上記と同じです。
安い置物みたいな仕上がり。すみませんこのくらいで許して下さい。
ちなみに、テクスチャは「現在選ばれているマテリアル」に紐づいています。別マテリアルを作ると、さっき作ったテクスチャはどこに行ったんだ!?となりますが、Newボタンの横にあるプルメニューで選択できるのでご安心を!
せっかくなので壁とかを作る
今のままだと、虚空にパンダが浮かぶシュールな感じになっているので、壁と床を作ってあげようと思います。背景オブジェクトは別レイヤーで作った方がやりやすいかもしれないので、オブジェクトモードで別レイヤーに変えてから作業します。
オブジェクトを追加
オブジェクトモードのままSift+Cで、3Dカーソルを中心に戻してからSift+AでCubeを追加。部屋になりそうな大きさまでSで拡大します。
大体拡大したらエディットモードへ。上面と前面を面選択で選択し、
X→Faceでいらない面を削除しましょう。全選択したら、パンダの足下と床がいい接地具合になるまでGでY軸移動します。あとは壁が高すぎて独房っぽいので、ちょっと壁を低くしました。ここら辺は、前回のモデリング篇を参考にしてみて下さい!
マテリアルとテクスチャを設定
■ 壁の設定
壁は内蔵のテクスチャで乗り切ろうと思います。設定は以下の通りにしました。
■ 床の設定
床はそれっぽく木目調にします。まずは木目のパターン素材を調達して下さい。
CG Texturesというサイトでは、登録すれば無料でダウンロードできるので便利ですよ!
[CG Textures] – Textures for 3D, graphic design and Photoshop!
http://www.cgtextures.com
こちらは壁と違うマテリアル・テクスチャ設定にします。マテリアルは適度なツヤを出すような雰囲気で。テクスチャは木目を貼りたいので、種類をImage/Movieにして読み込みます。UVではないので、MappingはいじらずOKです。
様子を見るために、3D Viewで床面を選んでマテリアルパネルでAssignします。…木目デケェ。
一枚の板に絵をどべっと貼ってしまっているのでこうなります。Image MappingのExtenshionをRepeatにして(デフォルトでRepeatです)、repeat値をX、Y共に調整してみてください!
続いて木目の凹凸を適用させます。
新しいテクスチャを追加して、今作ったテクスチャと同じ様に読み込み、repeatの値を同じにします。パンダの質感演出と同じように、Colorのチェックを外して、GeometryのNormalをチェック、値を調整します。
それっぽくなった(気がしなくもない)ですね!面のサイズの割に解像度が低いので、微妙な仕上がりですが…
パンダもろとも縮小すれば、多少改善するかと思います!ここでひとまずマテリアルとテクスチャの作業は終了です。
マテリアル・テクスチャ設定編終了!
お疲れ様でした!相変わらず長いですね…申し訳ないです…
UV調整や諸々難しい部分をスルーして簡単機能ばかり説明してしまいましたが、一応パンダっぽくなったと思います。
マテリアルやテクスチャ設定は、こだわればこだわるほど仕上がりが全然変わるので、ぜひ色々調べてみて下さい!
次回はパンダが動く準備として、骨(ボーン)を入れていきたいと思います。